2020/04/29
筋肉痛にまつわるウワサはたくさんありますよね。
今回の記事では筋肉痛にまつわるあれこれを
解明していきたいと思います。
まず始めに筋肉痛のメカニズムについて簡単に
おさらいをしましょう。
目次
筋肉痛とは?
筋肉痛の正式名称は「遅発性筋肉痛:Delayed-onset muscle soreness(DOMS)」といい、運動など筋肉に大きな負荷がかかった12時間~48時間後に起こる筋肉の痛みを指します。
動いたときや触ったときに、痛みが出ます。筋肉痛が起こるメカニズムは、完全には解明されておらず、現状では運動などによって筋肉へ負担がかかったことで筋線維が傷つき、
それを修復する際に炎症が起こって、痛みのある物質が放出されると考えられています。
筋肉痛のウソ?ホント?
①筋肉痛が遅く出るのは老化現象?
筋肉痛が出るタイミングは「運動の強度」に関係しています。
強度が高くハードな運動を行うと、比較的早く筋肉痛は出てきます。
逆に、強度が低く長時間行うような運動の場合は、筋肉痛が遅く出てくるのです。
年をとると、筋トレを日常的に行っている人でもない限り、筋肉を限界近くまで
追い込むような運動はほとんどしなくなりますよね。
そのため、筋肉痛が遅く出てきてしまうのです。
ですので、筋肉痛が遅く出るのは老化そのものとは関係がありませんので、安心してください。
補足ですが、筋トレには筋肉痛になりやすい動きがあります。
筋肉が引き伸ばされながら力を発揮する「伸張性筋収縮(エキセントリック・コントラクション)」は、筋肉痛になりやすい動きです。重いものを降ろすときや、階段・坂道を下ったり、ダッシュ時に急に方向を変えるなどの動作は、筋肉痛になりやすいといえます。
②筋トレすると風邪をひきやすくなるってホント?
こちらは筋肉痛というよりは筋トレ後のお話になるのですが、よく質問をうけるので参考までに。
筋トレ後は、一時的に免疫力が低下します。
これは、免疫機能に欠かせない血液中の白血球が
筋トレにおいてダメージを受けた各組織に集まる為です。
激しい運動によって低下した免疫機能は、運動後約2時間で最も低下し
約24時間後に元のレベルに戻るそうです。
免疫力が低下しているということは「細菌やウイルスに対して無防備な状態」に
あるということです。
よって筋トレ後(激しい運動)は風邪を引きやすくなるというのは
ホントだと言えます。
筋トレ後は人混みを避けたり、しっかり食事をとり休息を取るようにしましょう。
③筋肉痛の時はマッサージは控えた方がいい?
筋肉痛になっている筋線維を早く修復するためにはその部位の血流を促すことが重要です。
軽いマッサージを行うとその部位の血流が促されますので、
筋肉痛を早く治すことにつながりますが、強めのマッサージを行うと傷めている筋線維を
さらに傷めつけるようになってしまいます。
最悪の場合筋肉の炎症が強くなってしまい、筋肉痛の治りを遅くしてしまうこともあります。
マッサージは筋肉痛に効果的ですが、強めの刺激は控えましょう。
また、施術を受ける前は担当の方に筋肉痛であることを伝えるようにしましょう。
④筋肉痛の時は筋トレ禁止?
皆さん超回復という言葉をご存じですか?
超回復とはトレーニングや練習を行うことによって筋線維の損傷。
あるいは蓄積する疲労などで、一時的に体力は低下します。その後、
適切な休息(トレーニング後48~72時間)をとることで筋肉が回復していき、
その結果として筋力の向上や筋肥大などの成果が現れます。
トレーニング後に起こるこの現象を「超回復」といい、
その理論を超回復理論と呼びます。
この超回復理論からすると、筋肉痛が出ているときには、その筋肉に
大きな負荷をかけない方がよいでしょう。
また、筋肉痛が出ていると
「痛みで全力を出せない」「痛みで集中できない」「痛みで関節可動域が狭くなる」など、
効果的にトレーニングを行えなくなってしまいます。
休息も筋トレの一部だと思って筋肉痛が出ているときは筋トレは控えましょう。
どうしても行いたい場合は軽いトレーニングにしたり、普段から月曜日は上半身、
火曜日は下半身など、日によってトレーニング部位を分けて行うことで
継続してトレーニングを行うことが可能です。
⑤コーヒーを飲んで筋トレすると筋肉痛にならない?
コーヒーに含まれるカフェインは立派な医薬品の一つで、その効能は
【覚醒作用】・【鎮痛作用】・【疲労回復】をもたらしてくれます。
この鎮痛作用と疲労回復効果が筋トレ後の筋肉痛による痛みを
抑えてくれていると言われています。
また、筋トレ前にコーヒーを飲むとパフォーマンスが向上し、
さらに疲れにくくなるとも言われています。
これはカフェインが一種の興奮剤の役目を果たすからで、
筋肉に直接作用するのではなく、脳に興奮状態をもたらすことで、
疲労感を感じる信号が遅く伝わるようになるからです。
ただし、利尿作用があるため飲みすぎには注意しましょう。
⑥筋肉痛の時はストレッチはやめた方がいい?
筋トレの前後のストレッチの重要性は周知のとおりですが
筋肉痛の時のストレッチはどうでしょうか?
結論として筋肉痛時の静的ストレッチ※1は行った方が良いと言えます。
理由としてはストレッチを行うと血流が促進されて疲労物質や、痛みを引き起こす物質を
押し流すことができます。
また、運動後に緊張状態を繰り返している筋肉を、体温や心拍数の低下に合わせてゆっくりと時間をかけて弛緩させることが出来ます。
※1 静的ストレッチ:…反動をつけずにゆったりとした動きで、目的の筋・腱を伸ばすストレッチ
ただし、筋肉痛の時でもストレッチを控えた方がよい場合があります。
・筋肉痛の部位に熱がある
・鋭い痛みがある
・身体を動かすことができない程の痛みやつらさ
これらの状態の時は安静にするか、整体や整骨院、病院などに
行くことも検討してみてください。
⑦筋肉痛がでないと筋肥大しない?
「あんなにトレーニングをしたのに筋肉痛になってない…効果がなかったのかな?」
なんて私もトレーニングをはじめた頃は疑問に思っていましたし、
そう感じている方も多いのではないでしょうか?
大丈夫です。筋肉痛=筋肥大というわけではありません。
確かに筋肉痛というものが筋力アップの成果におけるひとつのマーカーに
はなると言えます。しかし、そもそも筋肉痛になりやすい部位もあればなりにくい部位
があります。また、筋肉痛は筋トレを継続的にしていくとおこりにくくなると言えます。
これは筋肉を損傷から保護するためのメカニズムがつくられるからです。
こうした現象が起こる正確な理由は明らかにされていませんが、ある筋線維が
一度損傷を受けると、その後最低数ヶ月間は、その筋線維が損傷を
受けにくくなると言われています。
実際、私も筋トレを始めたてのころは筋肉痛になりましたが、
それから継続的にトレーニングを続けていくと負荷を挙げても筋肉痛にはなりにくく
なりましたし、筋肥大をしたので事実です。
いかがでしたか?筋肉痛についてはまだ解明されていないところも多いのですが
最低限の知識を持って取り組むことで予防も改善も出来ますので
参考になればと思います。