2020/05/29
厚生労働省の発表によれば、国民の2700万人が腰痛だといいます。
日本の人口が約1億2700万だとすると、およそ5人に1人の計算となります。
本日はそんな腰痛の中でも皆様一度は聞いたことがある、
「ぎっくり腰」についてお話していきます。
目次
1、ぎっくり腰とは?
ぎっくり腰とは医学的には「急性腰痛症」と呼ばれていて、何かの動作がきっかけで腰椎(腰の骨)、または周りの関節や筋肉・靭帯が損傷し痛みが走り、動けなくなるような症状を言います。
その強烈な様子から海外では「魔女の一撃」とも呼ばれているそうで、若い年代では少なく、30代以降で発症する方がほとんどです。
ぎっくり腰になると軽いものなら1週間、重いものでも数週間から1カ月で痛みは消失します。
2、ぎっくり腰の原因
ぎっくり腰はどんなシチュエーションで発症しやすい?
【ぎっくり腰のきっかけとなる代表的な動作】
・朝顔を洗っていて
・重たい物を持った時
・くしゃみをした瞬間
・無理な姿勢で目覚まし時計を止めようとして
・靴下を履くとき
・掃除機をかけていて
いかがですか?こんなちょっとした動作でぎっくり腰を引き起こしてしまいます。
また上記のような誰もが日常的に行う動作ですが、人によってぎっくり腰になる場合とならない場合があります。
その違いは何なのか?
いくつか考えられることを挙げてみます。
◎普段の姿勢によるもの
デスクワークや立ち仕事、自宅での悪い習慣などで姿勢が崩れ、ストレートネックや猫背・反り腰・後湾症(腰曲がり)になり関節・筋肉が固まっている。
◎体の冷えによるもの
エアコンや冬の寒気など外的要因により体が冷えて固まっている。
◎運動不足
普段運動しないため筋肉本来の働きが失われ正常な収縮が出来ていない。
◎睡眠不足やストレス
疲労が溜まり、ストレスにより自律神経が乱れ筋肉が緊張状態になっている。
◎重たいものを扱う仕事、過度な運動
普段から重い物を持つことが多い職種やオーバートレーニングにより筋肉や関節に負荷が生じている。
これらの条件に当てはまる方は、筋肉や関節にストレスが溜まりやすく、常にぎっくり腰になるリスクを抱えている状態にあると言えます。
3、ぎっくり腰の種類
ぎっくり腰といってもそれぞれ原因となる場所は違います。
筋肉の肉離れ・・・筋肉が原因
仙腸関節の捻挫・・・骨盤の関節が原因
腰椎のサイドの関節の捻挫・・・背骨の関節が原因
背骨の真ん中の捻挫・・・背骨の真ん中にある椎間板が原因
ひとつひとつ説明したいのですが長くなるため、
別の記事で詳しく説明いたします。⇒ぎっくり腰 徹底解説
4、ぎっくり腰の予防法
ぎっくり腰の原因はおわかり頂けたかと思います。
ではぎっくり腰にならないようにするにはどうすればいいの?
◎体に負担がかかりにくい姿勢をマスターする
なんといってもこれにつきると思います。
悪い姿勢の代表格と言えばストレートネック・猫背・反り腰・丸腰(腰曲がり)・内股 ガニ股…などなどたくさんございますが、ここでは特に腰に直接関係する反り腰と後湾症(腰曲がり)について解説します。
人間の背骨は頭の重みや地面からの衝撃を逃がす為に生理的湾曲といって首は前彎(前にカーブ)背中は後彎(後ろにカーブ)腰は前彎(前カーブ)しています。
この時、腰の前へのカーブが強すぎる人を反り腰、逆に前へのカーブが無い人を丸腰(腰曲がりと呼んでいます。
ではあなたの腰はどうでしょうか?
ご自身の腰の状態をチェックしてみてください。
①なるべく硬めのフローリングなどに仰向けで寝て膝を伸ばします
②自分の手の平を腰の下に入れます。
この時に腰と床の間に手の平1つ分が入る方は正常、2本分余裕で入る方は反り腰だと言えます。
逆に手が入らない方は丸腰の可能性があります。
特に反り腰は女性に多く、丸腰は男性や高齢の方に多く見受けられます。
このどちらかに当てはまった方はぎっくり腰になりやすいと言えるので姿勢を改めましょう。
反り腰に関してはこちらの記事を(^o^)ノ ⇒反り腰の落とし穴
◎お腹の【締め】で腰を守る
ここでいうお腹とはよく言う腹筋トレーニングで鍛えられる上部の腹筋ではなく下腹部の筋肉のことです。
下腹部は起きてから寝るまで無意識に締めていて良いのです。締めが出来ていれば骨盤から腰の安定性が増し、ぎっくり腰はもとより腰痛になりにくくなるので早急に習得してください。
下腹部の締め方
・おしっこを途中で止めるような感じ
・恥骨を斜め上に傾けるような感じ
・肛門を下へ向けるような感じ
このとき腰を触りながら、腰の反りが無くなっていることを感じながらやってみて下さいね。
初めはきついかも知れませんがこれを自然に出来るようになったらあなたも下腹部マスターです。
◎お風呂にしっかり入り疲れとストレスをとる
血流が良くなり、リラックスすることでストレス解消にも◎
ちなみに理想の入浴方法ですが、38℃~40℃のぬるめのお湯に20分~30分ゆっくり入ることで副交感神経が優位になり睡眠の質も高まるそうです。同時に湯船の中で気持ち良いと感じる程度のストレッチをするのも良いですね。ぬるめのお湯が嫌いな方は最後に数分40℃~42℃の温度に入って下さい。
※ぎっくり腰の際は炎症を起こしているので入浴はNGです。
シャワーだけに済ませて下さいね。
◎マッサージや整体などで日頃からメンテナンスをしてもらう
マッサージや整体によるメリットは大きく分けて5つあります。
①本来の柔軟性を取り戻す
30代以降に差し掛かると筋力が落ちやすくなり筋肉の伸縮性が落ちるため少しの刺激でもケガをしやすくなります。整体やマッサージで筋肉をほぐして骨格を正しい位置に導くことで、関節の可動域が広がり、筋肉を最大限使える為、学生時代のような収縮性のある、疲れにくい質の高い筋肉を取り戻す事が可能になります。
②ストレスの緩和
マッサージを受けると、身体のホルモンバランスにまで良い影響があります。 ストレスがあると増えてしまう、コルチゾールという副腎皮質ホルモンが、マッサージによって減ることが科学的に証明されているそうです。ストレスが溜まると体が緊張状態になるので筋肉が固くなります。マッサージでストレス解消をしましょう。
③自分の体を共有してもらえる
担当の施術者に普段の姿勢や筋肉、関節の状態を覚えてもらうことも大切です。なぜなら自分では気づけない体の変化を教えてもらうことでぎっくり腰だけではなく体の様々な不調を予防することも出来るからです。是非あなたのMY施術者を見つけてみて下さい。
④免疫力が増える
なんと体温が1度下がると免疫力は30%も下がると言われています。マッサージをうけたあと、体がぽかぽかになったと感じる方も多いと思います。マッサージで血流やリンパの流れを良くして免疫力を高めましょう。
⑤正しい姿勢を維持しやすい
筋肉は悪い姿勢を続けているとその状態に合わせて固まってしまいます。なので正しい姿勢をとろうとすると本来は楽なはずなのに窮屈に感じたりかえって疲れてしまうんですね。ですが当店では施術後に正しい姿勢をとってもらうと窮屈さが抜けて姿勢がとりやすくなったと喜んで頂きます。これは①でもお伝えした体本来の柔軟性を取り戻した事によるものです。まずは正しい姿勢を取りやすい体を整体によって手に入れましょう。
◎油断大敵
腰に負担がかかりそうな動作をするときは常に腰をサポートする意識を持ちましょう。
朝目覚めたら?
人間は寝ているときはほとんど筋肉を使わないため案外固まっています。起きてもすぐに起き上がらず数分ゆっくり膝を抱えて丸まるようにして左右にゴロゴロして固まった体をほぐしましょう。
床から物を持ち上げるときは?
まず、膝を曲げて荷物を体の近くに持ち、 足を使って持ち上げましょう。
高い所の荷物の上げ下ろしは?
腰の反り返りを防ぐために、背伸びをせずに踏み台を使用してください。
顔を洗う時は?
膝・股関節を軽く曲げるようにしてください。
くしゃみをするときは?
極力姿勢を動かさず腹筋に力を入れる。(腹圧を高めて背骨を守る)
靴下を履くときは?
足に向かって上半身を曲げるのではなくて、足を曲げて上半身に近づけて靴下を履きましょう。
掃除機をかける時は?
テーブルの下など少し低くて手を伸ばして掃除機をかける際は膝を曲げて腰に負担がかからないよう気を付ける。
以上ぎっくり腰の予防法を紹介しました。
5、ぎっくり腰になってしまったら?
◎動かず安静
発症から最低でも炎症が収まるまでの3日間は安静にしてください。
よくあるのが、固まってるからとストレッチや腰の下にボールを入れてゴリゴリしてしまう方がいますが逆効果です。
◎冷やす
よく温めたら良くなるような気がして温めちゃう人がいますが絶対NG。ぎっくり腰は患部に炎症が起きているので冷やしてあげましょう。湿布を貼る場合はモーラス(茶色い湿布)ではなく冷やす効果もある白い湿布を貼って下さい。
◎お風呂はNG
こちらも炎症が起きているので温めるのはNGです。どうしても入りたい場合は短めのシャワーだけにして下さい。
◎信頼できる治療院にかかる
少し話は反れますが信頼出来る治療院とは?
・きめつけで、いきなり施術を始めない⇒体の状態を把握もしないで触ろうとする
・施術者が明らかに困っているのが伝わってくる
・感覚的に合わない…(笑)
治療院は信頼できるところにかかりましょう。
以上ぎっくり腰になってしまった際の対処法でした。なってしまったら基本的には安静にしておきましょう。
6、まとめ
◎ぎっくり腰は急性腰痛症で腰の筋肉や関節の肉離れまたは捻挫の総称です。
◎ちょっとした動作がきっかけで起こり、普段の姿勢、冷え、ストレス、運動不足などが積み重なり発症する
◎予防法はマッサージや整体をうけて柔軟性を保つ、お風呂に入って体を温める、ストレスをためない。下腹部を締める習慣をつける。
◎ぎっくり腰なってしまったら、絶対安静・冷やす・信頼のできる治療院にかかる