2020/04/24
365日毎日行う睡眠。
この睡眠の質を高めることで翌日の仕事、プライベートの充実度が全く違うものに変わると断言できます。
ここでは皆さんが気になる睡眠についてまとめてみましたので参考にしてみてください。
目次
1、睡眠をとらないとどうなる?
皆さんも1日ぐらいは徹夜の経験があるのではないでしょうか?
1日だけでもイライラしたり、集中力が落ちたりしますよね。
人間は17時間以上起きていると、血中アルコール濃度0.05%と同レベルまで作業効率が落ちるというデータがあるそうです。
アルコール濃度0.05%とはビール1~2本分です。酔った時と同じ状態で
仕事をしてると思うと作業効率が落ちてもしょうがありませんよね。
では2日以上寝ないとどうなってしまうのか?
過去にアメリカの高校生ランディ・ガードナーという青年が264時間(11日間)という大記録を樹立したそうです。
ちなみにこのランディガードナー青年は1日平均7時間弱のいたって普通の高校生で、クリスマス休暇の自由研究の為にこの記録に挑戦したそうです。
またこの挑戦には睡眠界の権威でスタンフォード大のウィリアム・デメント教授が立ち会ったそうなので信頼性があります。
では見ていきましょう。
【1日目】
午前6時起床。実験スタート。
【2日目】
目の焦点が定まらない。
【3日目】
気分が変わりやすい、吐き気がする。
【4日目】
集中力が欠如。幻覚が見える。
【5日目】
継続的に空想にふける。
【6日目】
物を立体的に見る能力が落ちる。
【7日目】
明らかにろれつが回らない。
【8日目】
発音が不明瞭になっていく。
【9日目】
思考が断片的。文章が最後まで話せない。
【10、11日目】
極度の記憶障害が生じる。
【12日目】
午前6時就寝。睡眠実験終了。
実験後のランディ青年が心配ですが、15時間ほど爆睡した後普通に目覚め精神面にも身体的にも後遺症は残らなかったようです。
いかがでしょうか?この実験はさすがにスケールが大きすぎますがいかに睡眠が脳に影響を及ぼすかがわかりますね。
ちなみにネズミさんで実験を行ったところ2週間足らずで免疫機能が減りすべて死んでしまったそうです。死因は敗血症(全身の感染症)だったらしいです。
睡眠不足は脳だけではなく免疫機能も低下させてしまうと考えると睡眠は健康のためにも必要だということがよくわかります。
2、夢を見ると熟睡出来ていないってホント?
まず、睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠があるというのはご存じの方も多いと思います。
レム睡眠とは脳が活発に働いており、記憶の整理や定着が行われています。
レム睡眠中は目がピクピク活発に動く、Rapid Eye Movemen(急速眼球運動)があることからREM(レム)睡眠と呼ばれ、一般的に「浅い眠り」とされています。
一方、REMのないノンレム睡眠では、大脳は休息していると考えられ、脳や肉体の疲労回復のために重要とされています。こちらは一般的には「深い眠り」とされています。
本題ですが、夢を見るのは熟睡できていないわけではありません。人は毎晩だれでも睡眠中に夢を見ています。レム睡眠中に強制的に目覚めさせると、約8割の確率で「夢を見ていた」と答えます。つまり、よく夢をみると言う人は一般的に眠りが浅いとされているレム睡眠が多いと認識されているだけで、単にレム睡眠中のタイミングで起きることが多いだけだということが言えます。なので夢を見て目覚めて「今日は熟睡できなかった…」「夢をみてしまったから疲れがとれていないんだ…」と落胆しなくてもいいので安心してくださいね。
3、何時間寝るのが理想?
結論を述べると、年齢や体質により個人差があるので何時間という明確な定義はありません。短い時間でも平気なショートスリーパーの人もいますし8.9時間寝ないとダメな人もいます。ようは時間よりも「睡眠の質」が大切だということです。しかし、健康や病気のリスクを考えた時、ある程度の睡眠時間が必要なようです。気になる研究結果があります。米国で100万人規模の調査を行ったところ病気で亡くなった方が最も少なかったのは、平均値である7.5時間寝ている人々でした。
一方で毎日3~4時間しか寝ていない人は、平均的な睡眠時間だった人々の1.3倍、死亡率が高かったそうです。また、この実験でもうひとつおもしろい結果が出ました。それは睡眠不足の人は太っているというものです。この傾向は男性よりも女性に顕著に現れていました。専門家によると睡眠不足により、食欲を増すグレリンというホルモンが出るのに加えて、食べ過ぎを抑えるレプチンというホルモンが出なくなるからだそうです。これを考えると睡眠時間に定義はないものの健康面を考えると平均7~8時間は睡眠時間をとりたいと思えますよね。次は睡眠の質を高める方法をを述べていきます。
4、寝る前に行うべき3つの準備
3、で睡眠時間に定義はなく、睡眠の質が熟睡するためには必要だと述べました。では質の良い睡眠はどうすればとれるのか?
今夜からできる、寝る前に行うべき3つの準備をお教えします。
①正しい入浴でお休みモードを作る
質の良い睡眠に入るためには体の中の温度である「深部体温」と、手足表面の「皮膚温度」の差を縮めておくこと。起きているときは通常、深部体温のほうが皮膚温度より2度ほど高くなっているが、入眠時に深部体温が下がることで入眠モードに切り替わる。「『赤ちゃんの手足が温かいのは眠い証拠』といわれるが、これは手足から熱を放散して深部体温を下げているのです。大人も同じように手足から熱放散がおこり、深部体温を下げると入眠しやすくなります」(スタンフォード大 西野教授より)この働きを活かすのに適しているのが入浴です。深部体温を下げるには、いったん体を温めるのが効果的。体温が上がるとその後下げようとする力が働いて深部体温が低下し90分かけて、元に戻ります。
つまり、眠りにつきたい90分前に入浴を終えることで良い睡眠のスタートをきれるのです。ちなみに理想の入浴方法ですが、38℃~40℃のぬるめのお湯に20分~30分ゆっくり入ります。ぬるいお風呂がどうしても苦手な人は、最後に数分40℃~42℃の温度に入って下さい。この入浴方法を眠る予定の90分前に終えてください。11時に睡眠予定だとしたら9時にお風呂に入り、9時半には上がるということです。入浴は上記の体温調節にも有効ですがリラックス神経といわれる副交感神経も優位にできるので是非正しく行いましょう。
②寝る前ストレッチで心身の緊張を緩和
ストレッチで筋肉を緩めることで血流がよくなるといった身体的な効果に加え、リラックスを促す副交感神経を優位にすることで自然な眠気につながります。
また、睡眠中は寝返りをすることで体にかかる圧迫や運動不足を解消しますが、背骨や筋肉の柔軟性がない人は寝返りがしづらくなります。
寝起きに体が痛かったり、体が凝りやすい方は寝る前ストレッチで柔軟性をつけて、寝るようにしましょう。
一点注意してほしいのは、頑張るストレッチは逆効果です。ゆっくり、気持ち良いくらいのストレッチを行いましょう。
③パソコン・スマホはNG!
寝る前のスマホやPC、ゲームがNGなのには2つの原因があります。
1つは、液晶から発せられる光が夜間に分泌され催眠作用がある「メラトニン」というホルモンの分泌を抑えます。
2つ目は、スマホを見ることにより脳が刺激され交感神経が優位になり脳が覚醒されて眠りづらくなってしまいます。特にゲームなど動きがあるものは注意が必要です。仕事などで仕方がないかもしれませんが、どうしても見てしまう場合はブルーライトをカットするメガネやフィルターを使うようにして極力控えるようにしましょう。
5、まとめ
◎睡眠をとらないと精神面に悪影響を与えるだけではなく免疫力が落ち、病気になりやすい
◎夢を見たからといって熟睡できていないわけではない。
◎睡眠時間による睡眠の質には個人差があるが 基本的には7時間~8時間の睡眠が理想的で 短いと肥満になりやすく、死亡率が高まる恐れもある。
◎就寝前90分までに入浴は終えて軽くストレッチをして、スマホやパソコンは控えるようにする