2020/06/22
スポーツの前後(ウォーミングアップ・クールダウン)に行ったり、今や日常生活の健康管理として行ったりするも多いストレッチですが、ストレッチを行っていれば果たして悩みの種である《肩こり・腰痛》は解消できるんでしょうか?
目次
ストレッチとは
そもそもストレッチとは、筋肉を良好な状態にする目的でその筋肉を引っ張って伸ばすことをいう。筋肉の柔軟性を高めて関節可動できる幅を広げたり、呼吸を整えたり、または、精神的な緊張を解きリラックスさせ心身のコンディション作りにもつながるなど、様々な効果があると言われています。
1960年頃、アメリカで出てきた言葉で、1970年頃急速に広まったスポーツ科学の1つです。一言にストレッチと言っても、大きく分けて6つに分類されそれぞれによって効果や使用目的が変わってきます。
・バリスティックストレッチ
通常の可動域を超えて反動をつけ弾むような動作で筋肉を伸ばす方法です。いわゆる柔軟体操がこれにあたります。また、いわゆるラジオ体操の第一はダイナミックストレッチ、第二はバリスティックストレッチを多く含むと分類されます。バリスティックストレッチでは伸張反射がおきやすいため、フィットネスにおいては使われなくなってきている。有用とは見なされず、怪我につながる可能性が指摘されています。
・動的ストレッチ
動的ストレッチ(ダイナミックストレッチ)の例としては、ゆっくりとした脚のスイング、腕のスイング、または胴体のねじれがある。これはやさしく稼働範囲内で行うが、対してバリスティックストレッチは、反動をつけ可動域を超えようとする点が異なる。肉体的なウォームアップを図りながら行う物であるため、運動前の静的ストレッチがパフォーマンスを下げるのに対し、怪我の予防、パフォーマンス向上に有効である。すなわち、ウォーミングアップに適したストレッチ法と言えます。
・アクティブストレッチ
静的アクティブストレッチとも呼ばれ、ヨガの多くの形態に見られるような主動作筋(筋肉運動の際に主となる筋肉・動作を動かす主な力を提供する筋肉)のみで体勢を支えるストレッチであり、柔軟性を高め主動作筋を強化します。
・パッシブストレッチ
リラックスストレッチ、静的パッシブストレッチとも呼ばれ、体の他の部分、またはパートナーや器具の補助を受けて通常の稼働域内で体位を取り、保持するストレッチです。運動後の「クールダウン」に適しています。
・静的ストレッチ
筋肉をゆっくりと伸ばし、やわらかくして可動域(動く範囲)を広げる。パッシブストレッチと静的ストレッチ(スタティックストレッチ)の用語を区別されていない場合があるが、静的ストレッチは通常の可動域を超えて筋肉を伸ばそうとするストレッチを指す。
運動前での実施でその後の練習での怪我が予防でき、パフォーマンスを発揮することが出来るといわれていたが、近年は運動前の静的ストレッチはパフォーマンスを低下させ、逆に怪我を増やすと言われている。可動域を一時的に広げることにより、力の伝達のロスや、不安定な関節が怪我を発生しやすくする。研究チームは、45秒以上同じ箇所を伸ばさないよう警告しているが、一方で伸張時間が6秒間であれば筋出力は向上し、30秒間では低下するとした研究結果もある。
逆に運動後に行うことで、パフォーマンス向上や怪我防止につながると言われている。時間については団体・学者により推奨値が異なるが、20秒程度を適当とすることが多い。
はじめに筋肉をゆっくり伸ばすのは伸張反射を防ぐためである。筋肉には筋紡錘と呼ばれるセンサーがあり、筋肉が瞬間的に引き伸ばされると筋紡錘から脊髄へ信号が送られる。すると脊髄から筋肉を収縮させる信号が出され、結果として筋肉が反射的に意思とは関係なく収縮する。これを「伸張反射」あるいは「伸展反射」と呼ぶ。伸張反射は筋肉が急激に引き伸ばされたときに起こる防御反応であるが、静的ストレッチにおいては逆効果となるため、これを避けるようにする。
・PNF
パッシブストレッチ、アイソメトリックストレッチとアクティブストレッチを併用する固有受容神経筋促進(Proprioseptive Neuromascular Facilitation:PNF)がある。なおPNFは本来はストレッチの一種ではなくPNFストレッチという呼称は間違いであるがそのように呼称されていることが散見される。当初、PNFは脳卒中の被害者をリハビリする方法として開発された。PNFには、拮抗筋、作動筋、またはその両方(CRAC)の収縮が含まれる。PNFはアイソメトリックストレッチとともに子供など骨の成長過程の者には推奨されておらず、筋肉部位ごとに36時間の実施間隔を置く必要がある。
このように各ストレッチ法によって用途や目的が分かれ、場合によってはケガの予防の為がケガを引き起こしやすくしてしまっり、パフォーマンスの低下に繋がってしまったりと逆効果になってしまうこともあるのです。
効果
・可動域の拡張=パフォーマンスの向上
・リラックスできる
・基礎代謝が上がる
・ケガの予防
・疲労回復(疲労回復には、《アクティブレスト》と《パッシブレスト》の2つがある。《アクティブレスト》とは、体を動かすことで回復を促す方法でストレッチはこちらに入る。《パッシブレスト》とは睡眠、家でゆっくりして回復を促す事)
簡単に分けてもこれだけの高赤が期待できるのです。また、血管は、筋肉の中を通っているので、筋肉が柔らかくなると伸縮の幅が拡がる。すなわち、マッサージと一緒でストレッチを受けると血流が良くなります。
セルフストレッチとパートナーストレッチ
ここで、自分で行うセルフストレッチと誰かに伸ばしてもらうパートナーストレッチの違いを説明します。
セルフストレッチの利点としましては、まず第一に毎日出来る!(やる気があれば(笑))いつでも出来る!そしてケガすることがまずないことですね。しかし、この3点。とても重要な事です。やろうと思えば、毎日、いつでも、そして場所を選ばずちょっとしたスペースがあれば出来るのです。頻度が上がれば、もちろん柔軟性もその分上ります。必要以上に負荷をかけすぎることがないので、ストレッチによるケガの心配もまぁまずありませんね。
欠点としては、当サロンに通われているお客様でも多数いらっしゃるのですが、負荷が足りてなく、気持ちいいだけのいわゆる『ストレッチもどきの運動』をして、やった気になってる方が多いのです。もちろんやりすぎは絶対に良くないのですが、そこから筋肉が伸びる!っていう【イタ気持ちいい】手前で、伸ばしてる気になって終えてしまう人が実はたくさんいます。
あとは、微妙な角度の違いで伸ばしたい筋肉ではない周辺の筋肉を伸ばしてしまっている方。 同じ格好でストレッチをしているように見えても、例えば、肘が曲がってるか、伸びているか。上に曲げるのか、斜め上なのか。といった些細な角度の違いだったり姿勢でアプローチしている筋肉に違いが出てしまいます。
一方、パートナーストレッチではパートナーにやってもらう為、しっかりと【イタ気持ちいい】とこまで伸ばしてもらえるし、パートナーが優れていれば、伸ばす角度にも問題はないでしょう。
欠点としましては、自分では相手の加減が分からずやりすぎてしまったり、痛めている箇所なのに、結構強めにやり悪化させてしまうなどの場合があります。また、誰かといないと出来ないといったところでしょうか。
注意点
ストレッチを行う上での注意点をお伝えします。
・呼吸を止めない 最中は深く深呼吸をしながらすると無駄な力みが邪魔しないのでより効果的にアプローチできます。
・反動をつけない 反動をつけすぎてやるとケガの原因になったり、突然の大きい動きに脳が危ない!と判断し無意識に体を守ろうと逆に筋肉が萎縮させ硬くしてしまうことがあります。「伸張反射」
・イタ気持ちいいところでとめる 痛めている筋肉だと悪化させてしまうからです。なんでも無理はいけませんね。
・ストレッチによって伸ばしている筋肉を意識する 自分が伸ばしたい筋肉がちゃんと伸ばせているか意識する事が大事です。これは、筋トレにも言えることで、自分が(ストレッチ・筋トレ)によってアプローチしている筋肉を効いているか・伸びているか意識しながらやるのと、しないでやるとでは、結果が全然変わってくるのです。
まとめ
色々な種類もあり、健康的なストレッチ。やり方次第では、日々の健康のサポートにもなり、より良いパフォーマンスの手助けになったりといい事だらけですが、間違えて行うとケガしてしまうことやパフォーマンスの妨げになる事もありますので注意は必要ですね。
さて、問題の【ストレッチで肩こり・腰痛は解消できるのか?】ですが、私の見解から言うと、予防策にはなるが、改善策としては完璧には難しい!といったところでしょうか。例えば、50肩、ギックリ腰といった症状から言いますと、ストレッチをすると痛みは悪化してしまいます。しかし、痛みが出る前の予防策としては抜群の効果を発揮します。また、マッサージと併用して、伸ばしてほぐす。と言ったダブルの効果が理想的だと思います。いつものマッサージだけのコースにストレッチもオプションで追加してみるのもいいと思います。このように、ストレッチ単体だけでなく、ストレッチ+αで考えると解消できるのではないでしょうか。